法律関係

2024年3月 1日 (金)

地方自治法第113条における「定足数」について(注:2024年3月5日追記あり)

 去年受けた行政書士試験に落ちてしまったため、現在復習し、少しでも苦手なところを克服すべく努力しているところです。
 今年はアガルートとは縁を切り、LECの教材である「2024年版 出る順行政書士 合格基本書」を使用しています。

 その中で、アガルートと同じことが記載されており、去年非常に疑問を感じたところがあったため、調べてみました。
 LECの教材では、510ページ欄外*4として記載されていることです。
 内容は、以下の通りです。

 「定足数は、会議開会のための要件であるだけでなく、議事要件、議決要件でもあります。」

 その元になっている記述は、511ページ(b)の定足数の原則という部分です。
 (113条1項本文となっていますが、113条には項が存在しないため、113条本文の誤りだと推測されます。後日問い合わせを行う予定です)

 113条本文は、以下のようになっています。

「普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議を開くことができない。」

 しかし、この条文には但し書きがついております。以下に記載します。
 なお、後で参照するために条文にはない()で、要件を区切る形を取ります。

「但し、(1)第117条の規定による除斥のため半数に達しないとき、(2)同一の事件につき再度招集してもなお半数に達しないとき、又は(3)召集に応じても出席議員が定数を欠き議長において出席を催告してもなお半数に達しないとき若しくは(4)半数に達してもその後半数に達しなくなつたときは、この限りでない。」

 私が疑問を感じ、何度もアガルートの講師に質問したものの、全く的外れな回答しか返ってこなかったのが、(4)の要件です。
 半数に達してもその後半数に達しなくなつたとき、というのは、当初半数に達していたため定足数を満たしていたものの、その後退席などによって定足数を割ることになったという事であり、検索してみたところ、この但し書きに該当する時であっても議事は成立するという文章がありました。


 地方自治研究機構の、議事運営Q&A 連載54回のQ4がそれに該当します。
 この質問の中で但し書きに該当する場合であっても、議事は有効に成立すると記載されており、明らかにLECの教材の欄外と矛盾する記述となっております。

 また関連する条文として、同じ地方自治法の第179条に、長の専決処分に関する規定が置かれています。
 この中の第1項を、以下に記載します。
 113条と関連する部分には、下線を引きます。

「普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないとき」に、長が専決処分(議会の承諾を得ずに事件を処分すること)できるとされています。

 こちらについても、Webで検索してみました。
 その結果、総務省作成の「専決処分に係る論点について」というスライドの中に、下線部の答えが掲載されていました。

 第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないときというのは、「出席議員の数が議長の他2名を下る場合」とされています。
 根拠となる規定がなく、Webの情報をかき集めた結果という形になりますが、2名を下回る場合は「多数決」の原理が働かないことから、議会の成立を認めることができないというのが理由として挙げられています。

 このことは逆にいえば、出席議員が2名以下になってしまうような「極端な事態」でない限り、定足数を満たしていない状態であってもただし書によって会議を開き、議決することができるという読み方が可能になります。
 そうなると、会議開催の要件、議事要件、議決要件として定足数が求められるという記述は明らかに、誤ったものであると解釈するしかありません。

(2024年3月5日追記前の、私の考え方です。もっとも後述の資料を見ることで分かるように、この時点では結論としてこうならざるを得なかったというのも、理解できると思います)

 ここまで読んでいただければ、定足数に関する記述について、LECのテキスト(及びアガルートのテキスト)の記述に問題があることは理解していただけると思います。
 この原則を守る自治体も存在していますが、それは「条例によって定足数を割ったときに、どう対応するかをあらかじめ決めている場合」であるため、定足数全般に該当する原則と呼べないことは明らかです。

 過去の自分がどうしても理解できず、理不尽であると感じていたことであるため、こうして記事にしました。
 この部分で疑問を感じている方の参考になれば、幸いです。

 

 3月2日 追記

 LECから回答があり、個人的に納得できない部分もありながらも、少なくともアガルートよりは遥かにまともな形でした。

 議決要件としてはあくまでも、定足数を満たすことが要求され、133条ただし書は「例外」とのことです。

 この部分では、アガルートのテキストは「原則」として記載されていたため、この理論が受け入れやすい形になりますが、LECのテキストにおいては「必要があります」という記載になっているため、注意が必要です。
 試験問題で「必ず定足数を満たす必要がある」という記述があった場合は×をつけるのが正しいという事になることは、知識として必要になると考えます。

 133条ただし書の要件を満たさない形を想定すると、最初の段階で定足数を満たしていない状況で、かつ招集手続きを踏んでいない状況における議決は、効力を有しないという事になります。
 ただ、議事要件という単語の意味(議事を行っている間は、常に定足数を満たしている必要がある)を考えると、こちらの方は私の書いた(4)の要件との関係で、疑問が残るとしか言いようがありません。
 明らかに(4)の状況は、議事中に退席した者が存在していた場合に、最初の時点で満たしていれば有効な議決が成立するという意味合いを有するため、これに関しては必要とされるのかどうか、少なくともweb上の知識だけでは判断できないと感じました。

 

 重要:3月5日 追記

 更に上記のことに対し、LECにもう一度質問したところ、定足数に関する制定当初の資料を得ることができました。
 これでようやく、議事要件、議決要件になりうることが自分の中では、ある程度の裏付けをもって納得することができました。

 制定時(昭和22年4月17日)の規定では、「議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、議事を開き議決することができない」となっており、憲法と同じく議決要件であることも明記されていたのです。
 ですが制定後間もない、昭和22年12月の改正によって現行の規定となり、議決要件である部分が削除され、現行規定に改められたとのことです。

 理由として「議事を開き議決する」という文言では「議会の選挙」(地方自治法第103条1項等)が含まれないと解釈される恐れがあったため、議決という言葉を削ったという歴史的経緯があり、そのため現行の文言では議事、議決の定足数であることは読み取れないものの、現行の文言もそれが含まれるという解釈がなされるというのが、学説の流れとして定着している(=通説、(慣習法))とのことでした。
(新基本法コンメンタール 地方自治法 という書籍に、その辺りが記載されているとのことです。機会があれば、図書館で確認する予定です)

 このことの表れとして、東京都議会会議規則第9条を考えることができるのかな? と思います。
 規則の制定権は地方自治体の「長」が制定するものであり、法律に違反しない限りにおいて制定することができるとされています(地方自治法第15条1項)。
 そして、この規則において地方自治法第113条ただし書の適用が排除されていることが、元々の規定から導かれる議事要件が原則であることから、正当化される(113条ただし書に反していても、有効な規則として扱われている)という考え方になると思われます。
(あくまでも、頭の中で整合性をとるためにこうなっているであろうという流れを記載しただけなので、もっと直接的だったり、分かりやすいものが存在しているかもしれませんが、学者ではないためその点はご容赦願います)

 Web上の情報だけでは、この辺りはどうしても入手することができず、体型的にもなっていなかった部分であるため、非常に助かりました。
 アガルートにおいては、それこそ「ご飯論法」のようなはぐらかしを行い、こちらの問いに対して資料を提供したり、きちんと答える意思が全く見られなかったことと比較すると、雲泥の差であると感じました。
 LECの方々に、深く感謝申し上げます。

2023年5月 9日 (火)

行政書士講座 アガルートはお勧めできない

 少なくとも現時点において、行政書士を目指している人はアガルートの利用を避けることを、強くお勧めします。

 理由は簡単で、「疑問点を解消する術がない」ためです。

 ホームページには、「無料で何度でも相談できます」と記載されています。
 ですが、まず相談するためにはFacebookへの登録を行う必要があります。

 次に、ここが一番重要な点ですが、Facebookの担当者と講座を担当している人物が異なります。
 講座を担当している人物は、比較的分かりやすく説明してくれ、動画のレベルは悪くない(もっとも重複や欠けなどがあり、何度も指摘した結果改善したため、編集に問題はありますが)のですが、Facebookの担当者は「最悪」というしかない人物です。

 まず、「自分勝手なルールを押し付け、質問できる内容を狭めている」ことです。
 テキストや動画に出てきたところで、時間やページなどを指定しない限りは相手にしないという、この時点でやる気のなさがうかがわれます。
 加えて講座を担当している人物は、「理論で覚えれば忘れない」という説明をしているにもかかわらず、Facebookの担当者は理論について質問すると露骨に嫌がることから、統一性という点でも問題があり、かつこの担当者の「試験に受かりさえすればいい」といういい加減な考え方が透けて見えます。

 次に、「顧客に対する態度ではない言葉遣いを平気で行う」ということです。
 こちらが傷つくような言葉遣いや、門前払いなどを行うため、他の方が講座担当の人に「直接そちらに質問したい」とこぼしたほどと言えば、私の主観だけではないことの証明になると思われます。
 登録している者だけとはいえ、他者が見る場所において平気でそのようなことを行うという点で、倫理観の欠如が推測されます。

 最後に、「可能な限りサボるために、こちらに対して攻撃的な態度を取る」ことです。
 動画を見て、それでも分からない場合は質問するしかないのですが、単に「条文に書いてあるから」と答え、「それ以外の情報はノイズだ」と断言するその姿勢からは、実務の感覚や一般常識の欠如が強くうかがわれます。
 このような人物を担当者にしている会社側にも、強い問題があるとしか思えません。

 以上のことから、少なくとも今年度においてアガルートの行政書士講座を受講することは、避けるべきだと感じております。
 このFacebookの担当者がクビになってくれたのであれば、話は変わりますけれどね。

2023年2月19日 (日)

苛立ち

 今日は体調が非常に悪く、昼くらいまで横にならざるを得ない状況でした。
 何とか起きて、メールをチェックしてみたところ……Facebookから、アカウントを停止したというものが届いておりました。

 パソコンからアクセスすると、確かに停止されており、異議を申し立てるかどうかのボタンが表示されていました。
 さすがに全く理由が分からない状態では、異議の申し立て自体ができないと判断したのか、理由が表示されていましたが……「不正な登録情報」というものだったと思うのですが、全く身に覚えがないことであることは間違いありません。

 既に2回目で、しかもアガルートのFacebookで質問を行った時に発生していることから、どうもそちら側が何らかの措置をしている可能性が、高いように感じられて仕方がありません。
 嫌がらせ目的でそのようなことをするのであれば、それこそ訴訟も辞さないというくらい、腹が立っております。

 最低でも行政書士に合格し、インタビューに応じることで全額返金を受けなければ、この怒りはおさまりません。
 モチベーションにはなりますが、不快でありきついのは間違いないです。
 おそらく明日には、解除されると信じたいところです。

2023年1月16日 (月)

定款変更の誤記?

 私は、いくつかの会社の株式を保有しています。
 投資目的というよりも、一種の趣味に近い感覚ではありますが、今のところ巨額の損失は出しておらず、配当金や株主優待も含めればほんの少しだけプラスになっているかな? という状態です。

 そして、株主には配当金、株主優待とともに、株主の権利として株主総会の議決権が存在します。
 会社の重要な事項を決めるための会議であり、それは資本を出している株主の意向によって決議されるべきという発想から、設けられている制度です。

 そんな中、一社から配当金の通知(いくらなのかが記載されています)、及び株主総会の議決のためのハガキが届きました。
 この会社は株主総会において、Web上での権利行使を行っていないため、ハガキを返送する形で権利行使する予定です。
 株主総会にわざわざ行くことで、さまざまなリスクを負う必要は無いため、これ自体は全く問題ないのですが……定款(会社にとって法律のようなものです)の変更が議決に含まれており、その中でかなり気になる記載を見つけてしまいました。

 前提知識として、株主総会で決定されたことは、その総会が開かれた時点で効力が発生します。
 そのため、一定期間の経過が必要なもの(例を挙げれば、4月1日から施行される民法の規定に合わせる必要があるもの)、及び許可や認可が必要なものについては、それを条件として定款本文の効力を発生させるという「附則」をつけることができます。

 書き方としては、こんな感じになります。

 第6条 本会社の定時株主総会は、事業年度終了後3カ月以内に召集する。
 第6条第2項 当会社は、株主総会を場所の定めのない株主総会とすることができる。
 附則 定款第6条第2項の変更は、〇〇大臣の確認を受けた日をもってその効力を生じる。

 この書き方によって、第6条第2項の効力が生じるのは、〇〇大臣の確認を受けた日ということになります。

 そして、附則によって効力が発生した後は、この附則自体は存在する意味がなくなります。
 あくまでも第6条第2項の規定を、遅らせるためだけに設けられた規定であるからです。

 そのため、附則にこのような文言を加えることがあります。

 附則 定款第6条第2項の変更は、〇〇大臣の確認を受けた日をもってその効力を生じる。本附則は、効力発生日経過後にこれを削除する

 こうすることで、〇〇大臣の確認を受けた日に附則が削除されることになり、定款に附則が残らない形になります。

 

 ところが、今回送られてきた議案では、このようになっていました。

 附則 定款第6条第2項の変更は、〇〇大臣の確認を受けた日をもってその効力を生じる。本条は、効力発生日経過後にこれを削除する。

 いろいろと調べてみたのですが、この書き方では誤解を招く恐れがあると感じました。

 基本的に、附則は法律の本文の後に、「附則」という形で別途記載されるものです。
 そして、「附則第〇条」という記載になっているため、その知識を前提とするのであれば、ここで記載されている「本条」という文章は、附則のみに適用されるというのが分かります。

 ですが、法律知識のない人が読んだり、または知識が不十分(実は、私もこちらに分類されました……記事を書きながら、調べて判明したためです)であったりすると、この附則はとんでもないことが書いてあるという解釈になってしまいます。
 「附則によって、本法の効力が発生し、その後に記載されている事項によって本条(=本法)が削除される?!」

 ……実際、ネット上でいくつか調べた限りでは、「本附則は」の方の記載が中心でした。
 加えて、「本条は」を利用するパターンとして、「会社の種類変更」の事例(例:株式会社から合同会社に変更する場合の記載)で「第6条 当社は、株式会社〇〇とする」の後に、「第17条 上記定款は〇〇株式会社を組織変更する〇〇合同会社につき作成したものであり、種類変更が効力を発生した日からこれを適用するものとする。なお、本条は効力日発生後にこれを削除する。」を付け加える形(抜粋)で掲載されていました。
 このパターンでは、附則ではなく本条として第17条を付け加えたうえで、それを削除するという形をとっております。

 確かに、附則も「条文」として独立した形式をとっているのは事実です。
 ですが、今回の株主総会の招集通知の場合、単に「附則」とだけ書いてあり、「附則 第1条」という記載になっていませんでした。
 そのことから、より私のような誤解、本条そのものが削除されるという考えを生む書き方になっているのではないかと感じました。
 誤解を招かないようにするためには、やはり「本条」ではなく、本規則」と書くことで、削除される範囲を明確にする必要があると思います。

 行政書士ではなく、この知識が必要になるのは司法書士の方だと思います。
 ですが、自分自身への備忘録も兼ねて、記事にさせていただきます。

2012年3月 6日 (火)

国籍取得における、民事局の矛盾!

 昨日は、「研修」がありました。
 基本的には、参考になることばかりで…非常に良かったのですが、一点、凄まじく「許せない」ことがあったため、急遽記事にします。
 おそらく、多くの人が、「共感」してくれると思うのですが…。

 国の機関、「法務局」(http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/)の仕事の一つに、「国籍事務」というものがあります。
 これは、「外国人が日本人になるための手続き(帰化)」などなのですが…その中に、「届出による国籍取得」というものがあります。

 この関係は、平成20年に、大きく改正されました。
 今までは、「婚姻が要件だった」のですが、「認知だけで日本国籍が取得できる」ようになったのです!

 このことで、法務局の負担は、大きく増えました。
 婚姻の場合は、まだ「簡単にはできない」(重婚が禁止されていたり…)のですが、認知は「割と簡単にできる」のですから。
 当然、「偽装認知」などの問題も、出てきます。

 そして、その負担は…全て、法務局に丸投げ、なのです。
 国会の付帯決議で、「法務局がきちんと調査すること」、及び、「警察との連携を取ること」が条件だったので…。

 これだけならば、まだ許せます。
 しかし、最大の問題は、「血縁を確認するための、DNA鑑定が、要件とされていない」事なのです!

 当然、「偽装認知」を防ぐ、最大の方法は…「血縁であることを確認する」事だと思います。
 そして、そのために、現代最も有効な方法は、DNA鑑定であることは、ほぼすべての人に、理解いただけると思います。
 それにもかかわらず、「民事局は、むしろDNA鑑定をしたがらない」のです!!

 はっきり言って、「偽装認知を、推奨している」としか、私には思えません。
 その上で、「偽装だと分かったときは、すべて法務局が責任を負う」のですから…。
 しかも、その問題を「ナーバスなもの」と位置づけて、下手に問題提起すると、「民事局として、怒り出す」らしいのですから…もはや、呆れてものも言えません。

 こういう連中を、「給料泥棒」と呼ぶのだと思います!
 こんな民事局の連中を、のさばらせている現在の政権…。
 まさに、「まじめにやっている公務員を、コケにしている」と思います!

 もし、納得できる説明があるのならば、ぜひしてください。
 おそらく、「まともな説明は、期待できない」と思いますけれどね。
 そのくらい、民事局に対する不信感は、強いです…。

 今日のオススメ動画は、「なし」とさせていただきます。
 申し訳ありません。

2009年3月 4日 (水)

公正証書遺言でも、安心できない!

 昨日、久しぶりに友人と飲む機会がありました。
 ところが、なにやらかなり不機嫌な様子…。
 仕事で何かあったのかと聞いてみたところ、とんでもないことを口にしていました。

 なんと、「公正証書遺言に反した、登記を行った司法書士がいる」…とのことなのです!

 詳しい経緯(もっとも、かなりガンガン飲んでいたので、聞き取れた範囲になりますが)は、次のようなことでした。

 まず、最初にその事務所が、「連件(数件の申請をひとまとめにすることで、途中に別の登記が入って、順番がずれなくするための処理です)」で、一人の人間に対して、相続と遺贈(相続権が無い人に、譲ることが出来る制度です)の登記を出してきたそうです。
 そのときは、彼が遺贈の登記を調べて、公正証書遺言(お金のかかる、もっとも信頼できる遺言の形式です)の中に、「全ての財産をAに譲る」という文言を発見しました。
 この場合、全ての財産はAのものになるのですから、当然相続が発生するはずが無く、間違った登記をしているということになります。
 彼の指摘によって、一度この事件は、取り下げさせることになりました。

 その後、今度は「時間差」で、先に相続の登記を出してきたのです。
 残念ながら、法務局では、「書面審査=形式審査」なので、形式が整っている以上、実態的な権利関係には踏み込むことが出来ず、その登記はそのまま進み、登記記録に記載もされてしまいました。
 その後に、遺贈の登記を出してきたのです!

 添付されている書面に、余計な文言が数多く含まれているため、すぐにこの事件のことだと気付いた彼は、登記を止めようとしたらしいのですが…書面審査である以上、どうしようもない、ということを告げられたそうです…。
 また、これは明らかに、司法書士法に違反する、脱法行為であるにもかかわらず、上司の腰は重く、まったく動こうとしないとか…。
 お役所の事なかれ主義が、こんなところにまで発揮されていることに、彼は怒りを覚えたようです。

 何よりも、一番彼が怒っていたのは、「公正証書遺言」で、子への相続をさせないように、注意を払って亡くなった故人の意思を、踏みにじるような形で、登記を行っているということでした。
 いくら遺留分があるからといって、それは行使して初めて効果があるものであり、まず一旦は遺贈が優先され、その後に遺留分減殺請求を行わなければ、ならないはずなのに、その手続きをすっぽかして、こんなやり方を行うというのは、明らかな脱法行為で、許せない…とのことでした。

 ブログに掲載していいかと尋ねたところ、「むしろ積極的に、こんな事例があるということを知らしめて欲しい」とのことだったので、記事にしました。
 お金をかけて行う、公正証書遺言によってなお、故人の意思が保たれないとなると…果たして、どうやったらいいのか、分からなくなってしまいます。
 最後の手段として、「廃除」という、その人間を相続人からはずすということもありますが、最近ではめったに認められていないようですし…。
 本当に、ひどいことが行われているのだな、と、感じてしまいました。

 追記…先例によると、「遺留分減殺請求を、遺贈の登記よりも先に行った場合」は、相続の登記ができるそうです。
 しかし、その結果、遺留分を超える相続の登記が提出される危険があり、そちらに対しての歯止めは、一切ないというのが現状です…。
 脱法行為ではなかったものの、このような事態が発生することを考えると、やはり公正証書遺言だけで、安心することはできそうにありません。

2008年2月21日 (木)

しょんぼりな還付金

 去年は、かなり医療費がかさんでしまいました。
 そこで、今年こそ、医療費控除をやってみようと思い、国税庁のホームページで、確定申告の申請書を書いてみることに。
 e-taxを利用するには、個人の電子認証と、そのための住基ネットカード、そしてカードリーダーが必要となるため、いくら控除額が大きくなるとはいえ、負担も基本投資も、ちょっと手が出せそうにありません…。

 これが、かなりの難行でした。
 こちらの項目を入れ忘れた…とか、あちらの項目の金額を間違えた…など、さまざまな問題が発生し、一度は税金を「持っていく必要がある」と表示され(自動計算ソフトが入っています)…頭が真っ白になってしまいました。
 結局、社会保険料の金額を入れ忘れたのが原因だとわかり、ほっとして、いざ還付金額は…と見てみると…。

 たったの、2000円!
 あまりのしょぼさに、笑うしかありませんでした。
 医療費、13万近く使っているのですから、もっと還付されると思っていただけに、がっくり。

 後は、還付方法の決定。
 一応、一番簡単そうな、ゆうちょ銀行への振込みを希望することにしました。
 これで、「振り込み手数料がかかります」なんて言われたら…もう、泣くしかありませんよ!

 手間の割りに、戻ってくる金額はたかが知れているのだな…と、思わずにはいられませんでした。
 もちろん、もっと多くの医療費を払っており、所得税も多く納税している人であれば、話は全く変わってくると思いますけれどね。

2006年9月22日 (金)

君が代の強制違憲

 今日の静岡新聞にて、「君が代を教職員に斉唱を強制させ、従わない場合は懲戒処分を課す」という都の方針に、違憲判決が出たという記事が載っておりました。

 たとえ教職員であっても、思想信条の自由は保障されるべきであり、それを「懲戒処分」という形で無理やり縛り付け、天皇賛美を強制する(この歌が「そういう意図がない」といえる人は、いないと思います…)ということが違憲であるとされたのは、個人的には歓迎できます。

 しかし、この判決は「きわめて異例」であり、恐らく高裁で覆されるであろうというコメントが同時に載っていました。
 職務規範で、合法な物であれば、それを行っても違憲になることはありえないとする従来の指針に従うと、この判決が「異例」と呼ばざるを得ないらしいです。

 それでもなお、この判決の意義は大きいと思いますし、願わくば高裁レベルでも「思想信条の自由」に配慮した判決が下されることを祈ります。

2006年9月16日 (土)

加重刑罰

 最近新聞で読んだ記事に、ちょっと変わったものが載っておりました。
 その記事によると、「無免許で、酒気帯びの常習犯」だった男に対し、大阪地裁が「求刑よりも重い判決」を下したという物です。

 求刑よりも軽くなることは良くあるのですが、重くなるというのは私にとってははじめて目にした物だったので、驚きました。
 早速、インターネットで調べてみると…民事法廷とは違い、刑事分野では「罪の適用」、及び「量刑の判断」は、裁判官の決定する事項であり、検察はある意味「検察としての見解」を述べているということのようです。
 そのため、「求刑がされなくても、判決を下すこと」も出来ますし、また「求刑よりも判決が重くなる」ことも、許されているようなのです。
 (ちなみに、民事では、これらは絶対に許されないこととされております)

 また、はじめて「求刑以上」の判決を下した例(リンクを張っておきます)として、やはり交通事故におけるものが上げられておりました。
 交通事故に危険運転致死傷罪が加わるまで、いかに交通事故によって失われた命が「軽く」扱われていたかも、分かると思います…。

 「飲酒運転」などの、容認できないような事例については、積極的に危険運転致死傷罪を適用すべきだと、私個人としては思います。
 犯罪と、全く変わらない行為だと思いますから…。

2006年8月21日 (月)

郵便と信書

 最近、「やわらかい」記事が続いたので、たまには「難い」記事も。

 最近、郵便局の商品で、「EXPACK500」という名前の商品があります。
 この商品は、500円という均一の料金で全国どこにでも、重量を考慮することなく送ることが出来るというもので、かなり多くのところで利用されております。
 もちろん、専用封筒はそれほど「大きいものではない」ので、荷物を送る用途には不向きですが、書類などを入れるのには十分なサイズです。

 この専用封筒に、「信書を入れることは出来ない」旨が記載されております。
 以前から、書いてあること自体は気づいていたのですが、「信書」という言葉の意味がいまひとつピンと来なかったので、調べてみました。

 総務省のホームページに、信書の定義がのっておりました。

 「信書」は、郵便法第5条第2項(及びこれを受けた信書便法第2条第1項)に次の通り定義されています。
 特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書

 とのことです。
 きわめて平たく言うと、いわゆる「手紙」などが信書に当たる…ようなのですが、定義としてはきわめてあいまいなように感じる方も少なくないと思います。
 そして、この「信書」は、原則不可侵であり、理由無き開封にはかなり重い刑罰が課されております。
 また、「信書」を取り扱うには決められた方法で行わなくてはならず、それゆえに「小包」に同封する方法で信書を配達することは、「法律上」許されていない…のです。
 (そのため、もし同封されていた紙があった場合、「添え状」や、「注意のメモ書き」という扱いにすることで、法律上の適用を除外しているようです)

 そして、この「信書」を配達できるのは、郵便、もしくは認定を受けた業者のみが可能で、もし認定を受けていない業者(宅急便などが、代表例だと思います)が信書を配達すると、配達した業者だけではなく、それを頼んだ「当事者」まで罰せられるという、きわめて重い規定となっております。
 (なお、現在のところ、信書法に該当する認定業者は存在しない(厳しい条件過ぎて、参入できないらしいです…)ため、郵便が独占して信書を取り扱っているようです)

 このことで問題となった事例に、「地域振興券を信書に当たるとして、民間業者による配布を差し止めた」というものがあります。
 拡大解釈…としても、信書のカテゴリーからは反するのですが、上記のようにきわめて「あいまい」な定義のため、このようなことがたびたび起き、「配達業務」の民間開放の妨げとなっているようです。

 ちなみに、一部の宅急便などで用いられる「メール便」というものがあるのですが、その名に反して「信書」を取り扱うことが出来ないため、もっぱら「書籍」や「雑誌」の配送のみに使われている…という現実もあります。

 確かに、「通信の自由」とは非常に重いつながりのある「信書」。
 ですが、どうも法律の運用といい、実際の社会の動向といい、本来の目的とは「ずれた形で」用いられることが多い…ように感じてしまいました。

より以前の記事一覧

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