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2006年6月 9日 (金)

画期的な判決

 注:今日の記事は、ちょっと難しい(法律関係なので)と思います。興味のない人はスルーしてください。

 昨日の新聞なのですが、刑法上、画期的な判決が静岡地方裁判所浜松支部で言い渡されました。
 それは、「新生児死亡に「致死罪」」というものです。

 この裁判を語る上で、避けては通れないのが、「人の始期」というものです。

 実は、日本では、法律によって、人としてみなされる時期が違ったりします。

 民法上では、「全部露出説」が採られていて、全身がこの世に生まれた時点を持って、はじめて「」としてみなされ、権利の主体となります。
 (厳密には、「胎児」にも、相続などの一部の権利は認められますが、割愛します)

 これに対し、今まで、刑法上では、「一部露出説」が採られていて、体の一部が出た時点であっても、「」としてみなされます(これが、「通説」となっています)。
 これは、「殺人罪」や、「傷害罪」などが、完全に母体から出ていない段階でも適用されるという意味で、重要な違いとなります。
 また、刑法上、「人」とみなされない胎児に対しては、「堕胎罪」が適用となります。
 (一般的には、母親が胎児の段階で堕胎することが、罪の対象となります)

 今回の判決では、「交通事故」と、「生まれた子供」の死亡との間に、因果関係を認め、「業務上過失致死罪」を適用したというものです。

 今までの刑法の概念を拡大したとしても、「母体」から出ていない状態の「胎児」に対しては、「傷害」という行為が、成り立たないというのが、弁護側の主張でした。
 また、今まで、このような場合、「胎児」を、「母体の一部」であるとみなした上で、「母親への」業務上過失傷害(母親は死んでいないので、致死ではありません)として、起訴するしかありませんでした。

 これに対し、今回の判決は、生後30時間で死亡したという特異性(一日以上、生き延びたことになります)はあるものの、「胎児」に対する傷害を認め、それによって死亡したことに対し、業務上過失致死を適用したという点で、従来の刑法における通説を、大きく変動させるものだと思いました。
 この判決が最高裁で確定した場合、刑法上の「人の始期」についての、教科書などの記載が変化するのは、間違いないと思います。

 なお、私は法律の「専門家」ではないため、もし間違いなどを発見した方がいましたら、遠慮なく指摘してくださるよう、よろしくお願いいたします。

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